企業勤めVS起業自営 論の源流を考える
今朝ふと思ったこと。
会社に勤めることと、起業や自営することは相反する概念として語られるけと、そういう二項対立的な捉え方は、ちょっと的外れかなと感じているということ。
起業して上手く当てたことも、所謂市場最大手のリーディングカンパニー勤めも、両方経験している自分としては、人生戦略の局面毎に、起業も企業勤めも使い分ければいいと思ってる。
例えば、企業勤めの魅力を挙げるなら…
- 圧倒的に無責任。責任は取りようが無い
- 社内ニートでも過分な賃金が払われる
- 採用基準が高い為社員の能力人格が高い
- 社会的インパクトある仕事を担当できる
- 業務の大半を関連会社に丸投できる
- 仕事の失敗は不問。成功は自分のものに
- 取引先から過分な接待を受けられる
- 予算消化の名のもと買い物ができる
- 年間の三分の一が休日。十連休が年数回
- 書類上は華麗なキャリアが貯まっていく
- 社会的クレジットで与信がスムーズ
- 適度な緊張感と規則正しい生活ができる
- 情報収集や調査のインフラが整ってる
- 悲観的に見ても半年一年の生活は安定的
- オフィスの立地や設備が良い
- 尊敬できる先輩や同期から刺激を貰える
- 優秀な後輩を可愛がれる。慕われる
- 総合的に高スペック異性との接点が多い
- 合コンや婚活サイトの初動がやりやすい
といったところが挙げられる。
一方、起業の良い点を挙げるなら…
- そもそも企業勤めの良い点が霞んで見えるほど、圧倒的な成功を体験できること!
- そしてとにかく自由!
具体的には…
- 年収一千万じゃなくて、月収一千万
- 金で満たせる欲求は概ね満たせられる
- 企業の一担当者じゃなくて、自分の名と顔がテレビや新聞に載る
- 衣食住における制約が著しく無くなる
- 誰かから指図されることが激減する
- 遊びも恋愛も強烈なカードを切れる
- 自分と似たような連中と非常識なことを色々できる
こんなところ。
どちらも魅力的でしょ。
ただ、人間は飽きる生き物だから、いずれの状況も長く続くと面白くなくなってくる。しかも、自分の本質的な思考や成長というものが実はどこかのタイミングで止まっていて、ただ猛烈な惰性で生きている時間が長くなってくると、人生の次なる展開が効かなくなってしまい詰んでしまう。あまりにも快適であったり、刺激的であったりという時間に現を抜かしてしまうのだ。
ある種ピーターの法則とでもいおうか、成功によるレバレッジの拡大が結局大きな破滅を招いてしまうのだ。そして、その予感を感じる時、人間は対照的な世界に住む人間のことを否定的に捉えたくなってしまいがちだ。隣の芝生は青いの強烈なバージョンとでもいおうか。
世の中に流布されている企業勤めVS起業自営 論の源流は、結構ここで語ったことが大きく影響しているのではないだろうか。
やっかいなのは、片面的には両者とも正しいということ。
各論正解で総論不正解という構図。どちらかの陣営で声高に叫ぶよりも、その奇妙な構図から抜け出し、ゼロベースでワクワクする人生を歩んだ方が建設的なのは間違いないだろう。
少なくとも、僕はそうやって生きていきたいし、現にそうしているつもりだ。